魚のすじ

 練り物屋の一日の仕事で『魚のすじ(鮫すじ)』造りはその日の最後の行程です。

製造の段取りとしては・・・
  • はんぺん用の鮫の正肉を採肉機にかけ、はんぺん用素材とすじ用素材部分に分離します。
  • 当店では、鮫のすり身を造ることから、すじ原料の3割程度を生の鮫からまかないます。その他の原料は気仙沼から冷凍物で仕入れております。(冷凍の原料は鮫特有の臭いを抜きやすく、製品にしたときの「コリッ」とした食感を引き立たせることができます。

 当店のすじは、おでんの汁を大根が吸う様に、すじも煮込めば煮込むほど、おでんの汁を吸い込みますので、すじそのものには塩と砂糖だけを使用し、その他に味付けをしておりません。

魚のすじを造る・・・

材料となる魚を吟味

 

近海の「ホシザメ」「アカボシ」「ドジザメ」「ヨシキリザメ」「カスザメ」「アオザメ」などや、底引き網で揚がった小魚を仕込みます。

すじの原材料の取得(ガチャン)

 

採肉機(ガチャン)にかけて、魚肉とすじに分けます。 3回くらい採肉機にかけます。

素材

 

当店でも急速冷凍をし、半解凍から水に何度も晒して、さめすじの匂いとアクを取り除き異物が無いか確かめます。

素材の加工


すじをきれいに解しながらミンチにかけます。さめの大きさと量、すじの舌触りを考慮して「荒挽き」「本挽き」と二度挽きをします。

素材の加工(すじの擂潰)

 

ゆっくりと素材を混ぜ合わせます。魚の素材の他に使用する調味料は「塩」「砂糖」のみで、その他に味付けをしません。おでんの味そのものに同化するように、自然な味わいを基本としております。 最後に澱粉を入れてすじの固さを見ながら摺りあげます。

昔ながらのすだれ巻きと手取りの製法


釜で茹で上げ


「火加減」と「蒸らし」、そして温度管理。 長年の経験により、出来上がりは自然な色合いの「白さ」とコリッとした食感を達成しています。